リカーシブルなビジネスの創出 -SIerとしての新規事業開発とは? (後編)

本記事では、前編に引き続き、株式会社電通総研 コミュニケーションIT事業部 松島様にお話を伺います。
SIerとして新規事業を立ち上げた松島様が、エナジャイズとどのように連携し進めていかれたのか、またその成果などについてお伺いします。

エナジャイズとの連携を開始した理由
“FACERE(ファケレ)施設Edition”のリリースを出した時にお声掛けをいただいたことがきっかけです。
実は元々、元となる事業は以前からあり、その発展系として“FACERE(ファケレ)施設Edition”ができたのですが「これから世の中に出していく」というタイミングでちょうどお声掛けをいただいたのです。
– 広報だけでは売れない – といった課題は私たちが新規事業の開発を進める中で強く感じていました。
つまり、市場に迅速かつ的確にアプローチすることの重要性を強く認識しているものの、そのやり方が分からない。
特に初期段階(PMF:プロダクトマーケットフィット前)の検証では、自社のリソースだけでは顧客獲得や迅速な市場フィードバックの収集に限界があると感じていました。
そこで、BtoB領域の新規事業開発で豊富な実績を持ち、ターゲット顧客への迅速なアプローチに強みを持つエナジャイズとの連携を決めました。エナジャイズのノウハウや人脈を活用することで、より早く市場の反応を掴み、プロダクト改善を効果的に進めることができると期待しました。
エナジャイズとの具体的な取り組み
最初にブリーフィングを行い、想定ターゲット(美術館や博物館などの公共施設)の情報を基にプロダクトとコンセプト説明をエナジャイズにさせていただきました。その上で、どんなところにどういう風にアプローチするかといった営業戦略面をエナジャイズに考えていただきました。
すると、取り組み開始から2週間程度で既にアプローチを始めていたという…このスピード感には正直驚き『これは面白いな』と感じたことを覚えています。とにかく早く、実際にお客様となり得る人たちにプロダクトを当ててみて反応を見てみた上で製品を修正するPDCAを回していく、といったことができたことは、弊社にとっても非常にプラスでした。
そのようなPDCAを回していくと段々と「市場が狭すぎてお客様の数がそんなに伸びそうにない」といったことや「ターゲットを変更するために〜〜のような機能も追加(削除)する方が良さそうかな」といったことを把握できるようになるのです。エナジャイズとご相談しながら、そのようなアプローチが取れたことはとてもいい体験になりました。
進めていく中で、どこを改善するかを顧客の声から判断し、実装することで、声をあげた顧客も満足して短期感で導入に繋がる、という良い流れができました。エナジャイズの進め方は、商品改善だけでなく、顧客の購買意欲を高める上でもうまく機能しているように思います。
エナジャイズと連携して得られたメリット
エナジャイズと連携したことで得られた最も大きなメリットは、市場ニーズを迅速に把握し、プロダクト改善に直結させることができた点です。特に、顧客からの直接的なフィードバックを迅速に得ることで、プロダクトの方向性を明確にし、無駄のない開発を進めることができました。
我々にとってエナジャイズは『単なる営業代行』ではなく『テクニカルパートナー』としてプロダクト開発メンバーの一員だと考えています。単なる営業支援にとどまらず、開発プロセスにまで踏み込んだ一体的な体制が整ったことで、短期間でのプロダクト改善をスムーズに進められました。
また、エナジャイズを『テクニカルパートナー(プロダクト開発メンバーの一員)』とすることによって、開発チームの中に営業機能を包括できるため、市場のニーズにマッチした商品開発を迅速かつ確実に行えることがエナジャイズと連携する最大のメリットだと感じています。

エナジャイズとお取り組みいただいた感想
本当に助かっています。
画一的な通り一遍の話ではなくプロダクトの形が変わるとともにお客様へのアプローチや声の聞き方なども変えていただいていますので、とても助かっていますし、私自身も刺激を受けられるので「じゃぁ今度はこんなものを作ってみようかな」といった発想も湧いてくるようになっています。
エナジャイズとの連携を通じてプロダクトチームを回す中で、さまざまな知見が溜まっていくということは楽しい体験だな、と感じます。
今後の事業展開
私としては”FACERE(ファケレ)施設Edition”のような小粒のプロダクトのラインナップを作り、リカーシブルなビジネスのボリュームを少しずつ上げていきたいな、という野望があります。
ただ、会社としての方針もある中で、どこまでいくかというところはこれからですね。
会社として主力になっている1案件数億円といったプロジェクトではなく、1契約で月数万円といった案件を積み上げてどこまで大きくできるか、そのような新しいアプローチでどこまでいけるか、を今後試していきたいと考えています。

新規事業開発の成功要素
SIerが新規事業開発を成功させるためには、常に顧客の声を中心に据えた迅速な改善プロセスが重要です。
作るだけでなく、実際に市場に受け入れられるプロダクトに仕上げるために、営業やマーケティングとの一体的な運営体制を整えることが求められます。
特定の顧客向けに開発したものをただ転用するような安易な発想では決してうまくいかず、「横展開」と「プロダクト開発」とでは本質的に視点が異なると考えています。
エナジャイズのような外部パートナーとの積極的な連携は、これらを効率的に推進するための重要な戦略です。顧客とプロダクトの距離を縮め、市場の声を的確にプロダクト改善に繋げることで、事業成長を実現できると考えています。
これまでの経験を活かし、より市場に寄り添ったプロダクトを開発していきたいと考えています。
ありがとうございました。
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(今後、松島様には「(仮)新規事業開発のノウハウ」といったテーマでもお話をお伺いする予定です。是非そちらもお楽しみに!)
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顧客ニーズの汲み取り方がわからない
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株式会社エナジャイズ代表取締役岡崎 史
プロフィール
上場企業を中心に170の新規事業の立ち上げを経験後、
エナジャイズを創業。
徹底的に顧客視点に立つ独自の事業開発手法で、年商1,000億円以上の大企業向けの支援、研修、講演等実績多数。