新規事業開発ガイド:【事業計画書の書き方】はじめてでも通る資料をつくるための5つの基本ステップ

※本記事は新規事業開発に関する情報をまとめたものであり、弊社のコンサルティングにおいて必ずしも同様の内容をご提案するとは限りません。あくまで参考情報の一つとしてご覧ください。
「新規事業の企画を任されたけれど、事業計画書って何を書けばいいのか分からない」
「上司から“まずは計画書を出して”と言われたけど、どこから手をつければ…?」
そんな状況に悩む経営企画の方は少なくありません。
特に大手企業の中では事業計画書の形式はあるけれど、何をどう書けば通るのかが曖昧なまま、手探りで作らざるを得ないケースが多いのではないでしょうか。
本記事では“現場目線×経営視点”を両立した事業計画書の書き方を、5つの基本ステップで解説します。
形式的に埋めるだけでなく「通る・議論される・動き出す」ための構成と工夫も合わせてご紹介します。
ステップ1:事業の背景と狙いを明確にする
事業計画書の書き始めは「なぜこの事業を立ち上げようとしているのか?」という背景と目的の明示から始まります。
ポイントは「なぜ今、この会社が、この市場に参入するのか」を、経営課題や外部環境とセットで説明することです。
書き方の例:
- 既存事業の成長鈍化を受け、新たな収益源が必要
- 法規制の緩和により、参入障壁が低下した
- 社内に活用されていないアセット(人材・技術)がある
この段階で、事業の立ち上げが企業戦略と整合していることを示すことで、社内の理解と納得を得やすくなります。
ステップ2:顧客ニーズと提供価値を具体化する
事業の立ち上げにおいて最も重要なのが「誰に、何を、なぜ提供するのか」という提供価値の設計です。
ここでは顧客の課題を起点に、顧客視点で書くことが重要です。
構成例:
- 対象顧客:中小企業の採用担当者(30代前半、地方在住など)
- 顧客課題:求人媒体の費用対効果が合わない
- 提供価値:採用特化型LP+広告支援で応募単価を30%削減
PMF(プロダクト・マーケット・フィット)の考え方も意識しながら、「このプロダクトなら“この課題”を解決できる」という構造を言語化しましょう。
ステップ3:事業モデル・収益構造を設計する
次に、実際の事業運営と収益化の方法を示す必要があります。
検討ポイント:
- 収益モデル(例:SaaS型、広告課金型、成果報酬型)
- 顧客獲得経路(例:営業、紹介、広告、ウェビナー)
- サービス提供体制(自社内製か、外注か、パートナー活用か)
収支計画は楽観・悲観・標準の3パターンで作ると、説得力が増します。
また、KPI(リード数、転換率、LTVなど)を数字で定義しておくと、計画が机上の空論でないことを証明できます。
ステップ4:計画の検証・改善の方針を示す
不確実性の高い新規事業においては、すべてを初めから決めるのではなく、検証と見直しのプロセスをどう設計しているかを示すことが重要です。
書き方のコツ:
- 初期フェーズは仮説ベースであることを明示
- MVP(最小限のプロダクト)での検証方法を記載
- フィードバック → 改善のサイクルをどう設計するかを示す
このように進め方を明示することで、計画の内容だけでなく、実際に動き出せるかどうかという観点で評価されやすくなります。
ステップ5:スケジュール・体制・リスク対応を整理する
最後に、実行に向けたロードマップと体制の現実性を示しましょう。
記載すべき要素:
- 開発・営業・マーケティングの体制(社内人材 or 外部活用)
- 主要なマイルストーン(例:ローンチ、初期顧客獲得、収益化開始)
- 想定されるリスクと対応方針(例:法規制、予算超過、営業難航)
ここで重要なのは、起こりそうなことはすべて想定していることを示す姿勢です。
リスクを隠すより、正直に見せた上で打ち手があることが、組織内の信頼につながります。
まとめ:事業計画書は“決意表明”ではなく“仮説設計図”
新規事業の事業計画書は、未来を断言するための資料ではありません。
大切なのは「このように考えて、検証しながら進めていきます」という道筋を、わかりやすく伝えることです。
だからこそ完璧な数字や立派な構想よりも、なぜそう考えたのか、どう判断したのかといったプロセスを丁寧に書くことが、結果的に評価につながります。
もし計画書に説得力が持てないと感じたり、検証の進め方に不安があるなら、外部の力を借りてみるのも一つの方法です。
エナジャイズでは、事業計画の整理や検証設計のご相談もお受けしています。まずはお気軽にご連絡ください。
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株式会社エナジャイズ代表取締役岡崎 史
プロフィール
大学卒業後、大手飲料グループを経て、40事業を超える新規事業の立ち上げを経験。その経験を活かし、2022年、PMFと顧客開拓を同時に実現する『PMFプログラム』を開発。
徹底的に顧客視点に立つ独自の手法で、年間2,000社の新規商談を生み出すなど新規事業推進のスペシャリスト。
大企業を中心に伴走支援、研修、講演等実績多数。