新規事業開発ガイド:フレームワークを使って“考え方の軸”をつくる方法
※本記事は新規事業開発に関する情報をまとめたものであり、弊社のコンサルティングにおいて必ずしも同様の内容をご提案するとは限りません。あくまで参考情報の一つとしてご覧ください。
「新規事業のアイデアを考えてみたけれど、どこから整理すればいいのか分からない」
「経営層に説明するために、論理的にまとめたいけれど構成の仕方がわからない」
「検証や市場分析を進めているうちに、何を優先すべきか分からなくなってしまった」
そんな悩みを抱えている新規事業担当者は少なくありません。
新規事業の検討では、「いいアイデア」よりも「考え方の筋道」が求められます。
つまり、どう考え、どう判断するかの軸=フレームワークを持つことが、企画を現実に近づける第一歩です。
本記事では、新規事業で活用しやすいフレームワークを紹介しながら、「形にするための思考整理」のコツをお伝えします。
フレームワークは“型”ではなく“思考の補助線”
新規事業の検討でフレームワークを使うと聞くと、「枠に当てはめるだけの作業」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、目的は「答えを出すこと」ではなく、「抜け漏れなく整理すること」です。
フレームワークは、複雑な状況を整理して“共通言語”をつくるためのツールです。
これを使うことで、チームや経営層との認識が合いやすくなり、議論が進めやすくなります。
新規事業でよく使われる3つのフレームワーク
新規事業においては、状況に応じて使い分けるのがポイントです。
代表的な3つをご紹介します。
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1.3C分析(Company/Customer/Competitor)
市場構造を俯瞰する基本的な枠組み。顧客・競合・自社の3視点から、どこに機会があるかを整理します。
2.リーンキャンバス
新規事業に特化した1枚構成のビジネスモデル整理シート。
課題・顧客セグメント・提供価値などを簡潔に書き出すことで、チーム内で仮説を共有できます。
3.ジャーニーマップ
顧客が商品やサービスに触れる一連の流れを可視化する手法。
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潜在ニーズを把握したり、UX改善の糸口を見つけたりするのに有効です。
これらをすべて使う必要はなく、今の段階で何を明らかにしたいかに合わせて選ぶことが重要です。
フレームワーク活用で陥りやすい落とし穴
一方で、フレームワークを使う際に注意したいのは、「埋めること自体が目的になってしまう」ことです。
たとえば、3C分析を行っても、そこから得た洞察を次のアクションに落とし込まなければ意味がありません。
フレームワークは「会話の出発点」であり、結論ではなく仮説を可視化するための道具です。
書き出した内容をもとに、「なぜそう考えたのか」「次に何を確かめるのか」という問いを立てることで、初めて実践的な価値が生まれます。
フレームワークを実務で使うときのコツ
新規事業の現場では、限られた時間の中で整理・提案を進めなければなりません。
そのため、フレームワークを効果的に使うには次の3点を意識するとよいでしょう。
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1.目的を明確にしてから使う
「何を考えるためにこの枠組みを使うのか」を最初に決める。
2.チームで共有する
個人作業で終わらせず、会話の材料として使う。
3.1枚で見える形にする
複雑な分析よりも、要点を1ページにまとめるほうが伝わりやすい。
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このように使うことで、単なる分析作業から「動ける企画」へと変わっていきます。
まとめ:フレームワークは“整理のための武器”
新規事業では、何を優先し、何を後回しにするかの判断が成果を分けます。
フレームワークはその判断を支える“思考の補助線”として機能します。
どんなフレームワークを使うかよりも、自社のフェーズに合った問いを立てることが重要です。
外部の枠組みに頼るのではなく、それを使いこなすことで、自分たちの考え方を磨いていきましょう。
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株式会社エナジャイズ代表取締役岡崎 史
プロフィール
大学卒業後、大手飲料グループを経て、40事業を超える新規事業の立ち上げを経験。その経験を活かし、2022年、PMFと顧客開拓を同時に実現する『PMFプログラム』を開発。
徹底的に顧客視点に立つ独自の手法で、年間2,000社の新規商談を生み出すなど新規事業推進のスペシャリスト。
大企業を中心に伴走支援、研修、講演等実績多数。