【古野電気株式会社様】 – 既存技術が切り拓く新市場 – 古野電気の「深浅測量」への挑戦

魚群探知機やレーダーなど、海のエレクトロニクス分野で世界をリードする古野電気株式会社。
同社は今、既存の音響技術を武器に「測量」という新たな市場でイノベーションを起こそうとしています。
技術研究所から生まれたアイデアが、どのようにして事業へと形を変え、市場の期待を集めるプロダクトへと進化したのか。
プロジェクトを牽引する開発者と、自ら志願して加わった若手営業、そして外部パートナーであるエナジャイズとの共創がもたらした成果について、開発秘話と品質へのこだわりを伺いました。
– お二方のこれまでのキャリアと、現在担当されている業務について教えてください
今坂様(以後敬称略)
今坂
私は現在ビジネスラボに所属していますが、元々は事業部で製品の研究開発に携わっていました。
その後、技術研究所へ異動し、次の事業テーマを探す研究者としてのミッションを担うことになりました。
当初はオープンイノベーションを通じて他社と交流しながら様々な可能性を模索しましたが、なかなか目に見える成果には繋がりませんでした。そこで、誰かに任せるのではなく「自分がやる」と決意し、自社の強みである超音波技術を活かした無人ボートによる測量システムの開発に着手したのです。
足立様(以後敬称略)
足立
私は2021年に新入社員として古野電気に入社しました。
同年秋からは国内営業部で、漁船や商船、プレジャーボートをお持ちのお客様へソナーや魚群探知機、レーダーなどの電子機器を販売する業務に就き、各地を回って現場での経験を積んできました。
2025年の5月からは現在の部署に異動し、深浅測量(水中や底面の形を測ること)向けの機器販売に向けた、マーケティングやお客様との直接のやりとりを担当しています。
– 研究開発の最前線から、なぜ「測量」という新市場に目を向けたのでしょうか?
今坂
私はもともと事業部で製品開発に携わっていましたが、技術研究所に移ってからは「次の事業テーマを探す」というミッションを担ってきました。
自社の強みを再確認したとき、やはり超音波やマイクロ波といった得意分野で勝負すべきだと考えました。
その中で、以前から興味のあった船のオートパイロット技術や無人計測の研究から、既存の魚群探知技術を応用した「無人ボートによる測量システム」にたどり着いたのです。
技術者として常に「自社技術をどの市場に転用できるか」とアンテナを張っていたことが、この事業開発のセンスに繋がったのだと感じています。
– 今回開発されたプロダクトの具体的な特徴や、現場でのこだわりについて教えてください
今坂
目指したのは「安かろう悪かろう」ではなく、ハイエンドクラスと同等のクオリティを持つエントリーモデルです。
特にこだわったのは「現場での使いやすさ」です。従来の測量装置は巨大で重く、運搬にはクレーンや特殊な車両が必要でしたが、本製品は宅急便で送れるほど極めてコンパクトに設計しています。
また、さまざまな現場での業務を視察している中で、現場で工具を忘れて仕事にならないという事態を避けるため、工具レスで組み立てられる構造にしています。現場到着からわずか5分で計測を開始できるスピード感は、徹底して現場の「困りごと」を観察してきたからこそ実現できたこだわりだと自負しています。
– 社内でも若手である足立さんが、この新規事業プロジェクトに自ら志願した理由は何でしょうか?
足立
私は2021年に入社し、国内営業部で漁船やプレジャーボート向けにソナーなどの販売を経験してきました。
古野電気には「浜営業」という、現場を歩いてお客様と信頼関係を築く文化があり、そのネームバリューの強さを肌で感じてきました。
一方で、海以外の分野でもその文化を活かした新しい価値を作れたらもっと面白いのではないか、という思いもありました。そんな折に、新設されたビジネスラボの社内公募があることを知り、迷わず手を挙げたのです。
既存事業の安定した環境を離れ、新しいことに挑戦する若手が自ら希望したという点は、会社としても珍しいケースかもしれませんが、自分のキャリアにとっても大きなチャンスだと捉えています。
– 開発フェーズにおいて、エナジャイズと共に進めた市場ヒアリングにはどのような価値がありましたか?
今坂
技術者としての仮説だけでは、社内を説得するのに限界がありました。
自社内にいても「それは一部の人が言っているだけではないか」という懸念をどうしても拭いきれないからです。
しかし、エナジャイズさんを通じて数多くの企業にヒアリングを行えたことは、劇的な変化をもたらしました。
統計的にも有効な母数のお声を届けられたことで、プロジェクトの説得力は格段に増しました。
また、ヒアリングを担当した方々は営業的な嗅覚が非常に鋭く、単なる意見収集に留まらず「顧客がどこにお金を払うのか」というマネタイズのポイントを的確に見つけ出してくださいました。
これは私個人やこれまでの活動では到達できなかった領域です 。
さらに、自分自身の知識をアップデートできたことも大きな収穫です。
WEBを活用した集中的な検証によって、従来の「足で稼ぐ」スタイルでは不可能な短期間で、自分一人の足跡を遥かに超える成果と、私自身の成長に繋がる知見を得ることができました。
– 新しい市場である測量業界へのアプローチにおいて、感じた手応えはいかがですか?
足立
測量業界は非常に専門性が高く、今までの営業とは異なる難しさがありました。
この業界では中途半端な知識や準備で立ち向かうと立ち行かなくなります。綿密な準備の重要性を改めて認識しました。
エナジャイズさんとの活動を通じて、WEB会議という制約がありながらも、お客様のニーズを精査し、自分たちの強みがどこにあり、何が足りないのかを一つずつ積み上げることができました。この「準備」のフェーズをエナジャイズさんに支えていただいたことで、今では「この製品は売れる」という強い自信を持てるようになっています。
また、この活動実績は経営陣への報告においても強力な材料となりました 。経営層は実績が伴っていないものには首を縦に振りませんが、具体的な「お客様の声」という根拠を示せたことで、会社として次のステップへ投資する決断を引き出す大きな要因になったと実感しています 。
現在は、この活動で作った繋がりを大切にしながら、正式な製品化・拡大を目指しています。
ゆくゆくは全国に広がる当社の販売網を活用し、測量業界版の「浜営業」を展開することで、全国の現場に私たちのシステムを届けていきたいと考えています。
– これから新規事業に挑戦しようとしている方々へ、メッセージをお願いします
今坂
新規事業をやる上で、社内を説得することはどの会社においても非常に重要です。
そのための「説得力を増すデータ」を今回得られたことは大変ありがたかったです。
エナジャイズさんとの活動を通じて、社内に測量に興味を持つ人間を増やせたことも、事業を推進する上で大きな財産になりました 。
足立
私はまだ20代半ばで、知識も経験もこれからですが、若手であってもこれほどお役に立てる場面があるのだと実感しています。社内で議論になることもあるかもしれませんが、それは全員が真面目に考えている証拠です。
まずは「とりあえずやってみよう」という気持ちで、全力で取り組むことが大切だと考えていて「失敗したらその時に謝ればいい」といった、そうした情熱こそが、新しいビジネスを形にする原動力になると信じています。
60分無料カウンセリングを承ります!
こんな方はぜひお気軽にご相談ください!
顧客ニーズの汲み取り方がわからない
顧客検証の方法がわからない、手が回らない
アポが取れない、営業に苦手意識がある
株式会社エナジャイズ代表取締役岡崎 史
プロフィール
大学卒業後、大手飲料グループを経て、40事業を超える新規事業の立ち上げを経験。その経験を活かし、2022年、PMFと顧客開拓を同時に実現する『PMFプログラム』を開発。
徹底的に顧客視点に立つ独自の手法で、年間2,000社の新規商談を生み出すなど新規事業推進のスペシャリスト。
大企業を中心に伴走支援、研修、講演等実績多数。




